2012年アルバムBest10
10位
「Perfectly Imperfect」 by Elle Varner
ポストAlicia Keysと話題になったElle Varner。LA出身で両親がアーティストという音楽一家に育つ。絶妙にかすれる声質がその歌唱力にプラスαを与えている。要は歌唱力が生かせるいい声をしているということ。アルバムとしてはミックステープからの既発曲がある割に曲数が少なかったり(一般的には普通か)と若干気になるところはあるがまあ上々な出来ではないか。曲として真新しさがないという声も聞こえてくるかもしれないが、このようなベーシックなスタイルも現代には必要であることも確か。Billboard Live Tokyoに来る予定が急遽キャンセルになったのは非常に残念。
9位
「Based On A T.R.U. Story」 by 2 Chainz
Kanyeが絶大な信頼を寄せる男、2 Chainz aka Tity Boiのファーストスタジオアルバム。ネチっとした独特の声色が特徴ゆえに最初は嫌いだったのだが、シーンで引っ張りだこ故にいやでも耳に入ってきたのが功を奏し、今では大ファンに。ハマると中毒性のあるラップをしており、また声量があるところもrapperとして非常に大きく、Live映えするアーティストであるといえる。本作は万人受けするかといったら怪しいかもしれないが、ハマる人にはハマる、デビュー作としてはそこそこの出来だと思う。こんなサウンドだが、聴きこむうちに味が出てくる作品かもしれない。
8位
「Pluto」 by Future
Futureというrapperのデビュースタジオアルバム。どっから声出してんだって思うくらい独特な声が特徴。個人的にはYoung Jeezyに似てるかなーとか最初思ってたり。2 Chainzの時と同様に当初はこの人のこの声が好きじゃなくて敬遠していたのだが、聴いていくうちに慣れてきてアルバムを聴きこんでいくとこれまたいい出来。Mike WiLL Made ItやSonny Digitalがいい仕事してるのだが、それ以外を比較的ローカルなプロデューサー陣がきっちり埋めている点がいい。Futureの色がものすごく出ている効果なのか、アルバム全体の雰囲気に統一感がある。Futureというrapperの作品としてオリジナリティあるものに仕上がっている。
7位
「Strange Clouds」 by B.o.B
Bruno Marsと共に "Nothin' on You"で全米をかっさらったATLはジョージア出身、T.I率いるGrand Hustle所属のrapperのセカンドアルバム。カッコいいうえに聴きやすい曲ばかりで構成されていて、いい意味でpopとhiphopクロスオーヴァーな作品。hiphopを聴かない層にも自信をもってお勧めできる、popアルバムとしても完成度の高いアルバム。やはりこの男の声がその聴きやすさにつながっているのかもしれない。基本的に捨て曲が見当たらない。Dr.Lukeのプロダクションも最高だが、B.o.B自身によるプロデュースもかなりいい出来。popな要素をうまく取り入れているという点でこのレベルの曲を自分で作れてしまうのは音楽プロデューサーとしてもなかなかの才能がある。
6位
「Live from the Underground」 by Big K.R.I.T.
この人も注目の新人として各音楽誌で取り上げられた。完成度の高いミックステープ群のリリースからこぎ着けたデビュー盤で、期待を裏切らない心地よさは健在。あまり話題にはならないが、この人はさりげなくrap巧者。しかしマニアックなrap巧者と違って、万人に伝わるフロウを持っているのが特徴。そのスムースなrapは誰が聴いても心地よく入り込めるものだ。サウンド面では新旧織り混ざっているところが特徴的。例えばカーベルやアナログシンセのような原始的な音が盛り込まれており、現代と古きよき時代の融合が図られている。この点もまた落ち着かせるポイントなのかもしれない。アルバム全体の流れもフロウ同様スムース。セカンドも期待できるアーティスト。
5位
「Careless World: Rise Of The Last King 」 by TYGA
G.O.O.D. Music、MMG(Maybach Music Group)と並んで現在最も勢いのあるhiphop集団であるYMCMB/Young Moneyの人気rapperであるTYGAのセカンドアルバム。ファーストの頃とはフロウもだいぶ変わってきており、落ち着いた安定感のあるスタイルに進化。この人のrapは本当にかっこいい。全米で流行したRack CityではDJ Mustardのシンプルなトラックに腰を据えてラップしているのが印象的。その他Black CrownやThis is like thatではシンガーとの相性の良さも見せてくれた。特にThis is like thatは自分のお気に入りである。Robin ThickeはWeezyのCarter Ⅲで非常にいい客演をこなしていたこともまだ記憶に新しい。個人的に大好きなrapperであるという矯正を入れずともタイトなアルバムであると言える。「マドカラミエル~」といきなり日本語のサンプルから始まるところも最高。
4位 「Dreams And Nightmares」 by Meek Mill
多大な期待の中、MMGからデビューした高音で声通りのよいフロウが特徴なrapperのファーストアルバム。このアルバムを選んだ理由は、単純にカッコいい曲が多かったから。とはいえしっかり聴かせる曲もちゃんと入っておりバランスがとれている。余談ではあるが、非常にバリエーションに富んだ作品を作れるところがhiphopの素晴らしいところの一つであると思う。盟友Jahlil Beatsとの相性が抜群でミックステープからの期待にちゃんと応えてくれたところはホッとした。個人的にかなり好きなRich & Famousという曲ではいつもと違った一面が見れ、これからも益々期待できるプロデューサーの一人だ。Boi-1daは言わずもがな、本当に毎回間違いない曲を届けてくれる。特にサウンド面から、ここまで変化してきた「現代のhiphopメインストリーム」を象徴した作品である。
3位
「Cruel Summer」 by G.O.O.D. Music
AKLO氏と同意見でこのアルバムをランキングに含めるか否か迷った。というのもG.O.O.D. Musicのコンピということで個人のアルバムではないからだ。だがそこは大目に見てもらって、、というか大目に見ざるを得ないほど素晴らしい楽曲がたくさん詰まっている。全曲シングルカットOKといっても言いすぎることはないだろう。中でもMercyそしてColdのカッコよさはダントツで、A$AP RockyのGoldieと並んで個人的2012年ベストrapシングル。今一番勢いのあるhiphopグループがその名前や実力に負けずに確実に仕留めてくるところは本当にさすがである。余談だが、フィジカルリリースの紙ジャケットもとってもオシャレでナイス。これから買われる方は是非iTMSではなくディスクで買われることをお勧めする。
2位
「good kid, m.A.A.d city」 by Kendrick LAMAR
正直一位にするか非常に迷った、西海岸技巧派rapperによるメジャーデビュー盤。とにかくこの人のラップが巧いこと巧いこと。リリシストとしてあのGameも「アイツに喧嘩売らない方がいい」と認めるほどのストリートスマートっぷり。このアルバムもアルバムとしての流れがしっかりしたコンセプチュアルな作品。LAMARの自分史を綴っていってできた一つの物語、そうまさにshort firm。物語の内容についてはAkkeさんによる「good kid, m.A.A.d city」解説をご参照あれ。典型的なコテコテ西海岸ギャングスタシットもしっかり織り込まれててウェッサイファンも納得させる内容。すこし懐かしささえ感じる人もおられるのではないだろうか。プロデューサー陣に関しても非常にバランスが良い。僕個人の意見として、有名どこで固めすぎるのは、その個人の色が出にくい点において少し微妙かなと考えている。その点このアルバムはフッドの面々も参加してるみたいだし、LAMARという人物を表現したアルバムといえると思う。それにしてもDr.Dreの若手フックアップの腕は相変わらずの安定感。なお、最近めでたくゴールドディスクを獲得したとのこと。プラチナもそう遠くはないであろう。
1位
「channel ORANGE」 by Frank Ocean
このアルバムが最後になるかもしれないとの発言に落胆した方も多いと思う。それほどに素晴らしいアルバム。ストリート流に上品なトラック群に乗っかるFrankの圧倒的な歌唱力。アルバムの構成も素晴らしく、ラジオのような構成はミクステNostalgia/ultraからの流れでこれまたいい味を出している。このアルバムの代表曲と言ってもいいSweet LifeではなんとあのPharrellがトラックをプロデュースしている。PharrellはOFWGKTAの憧れのアーティストであることからさぞ気持ちの入った曲になっていると思う。いやしかしこの曲で、Pharrellの曲作りの幅というか器用さを感じさせられた。やはり天才プロデューサーである。いいアルバムの条件として「アルバム全体で一つ」というものがあるが、これはまさにこのアルバムの為にある言葉と言ってよい。一曲一曲ももちろん素晴らしいのだが、「ある曲が目立ちすぎてバランスが悪い」といったようなことがなく非常に曲同士のバランスが良い。分かりやすく言うと「捨て曲がない」「どの曲もこのアルバムには必要な曲」ということができるということだ。最初から最後まで通して一曲と言える、自然でまとまりのあるスムースな進行、永久保存版。
Best Works
Best MVs
・"Goldie" by A$AP Rocky
・"Birthday Song" by 2 Chainz ft. Kanye West
・"Get Lost" by Gucci Mane ft. Birdman
Best Producers
・Hit-Boy
I Wish You Would/Cold
・Mike Will Made It
Bitches & Bottles
・Young Chop
Ocho Cinco
other 2012 shits...
Your Body by Christina Aguilera
Die Young by Ke$ha
Payphone by Maroon 5 ft Wiz Khalifa
Work Hard Play Hard by Wiz Khalifa
Diamonds by Rihanna
Thrift Shop by Macklemore & Ryan Lewis
Lemme Sees by Usher ft. Rick Ross
Heart Attack by Trey Songz
New Day by Alicia Keys
We In This Bitch by DJ Drama
F**kin' Problems by A$AP Rocky featuring Drake, 2 Chainz & Kendrick Lamar
The Don by Nas
Throw It Away by Slaughterhouse
Street Knock by Swizz Beatz ft. A$AP Rocky
Bitch Bad by Lupe Fiasco
その他すばらしい作品は沢山あったのだが、ここでは泣く泣く割愛した。また、年末リリースでまだ聴きこめてない作品(ex, Game,Rihanna,AK等)も見送ることにした。一リスナーとしての感想として軽く読んでもらえたらうれしいし、洋楽アーバンの世界の魅力を伝えられていたら幸いです。









